曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

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たのしみ法話
たのしみ法話

サザンカから []

愛知 大龍寺 住職 野々村晴之 老師

お寺の庭にあるサザンカは 間もなく薄紅色で一重の可憐な花を沢山つけます
誰がいつ頃 何を願い植えたのかは解りません ただ花弁が一重のサザンカは古い種類であると聞きました 
百年前 お寺の一部を増築した折り 伐採をせずに避けて建てたようでありますから 歴代の住職が大切にしてきた木である事は確かです
30年前 先代の住職からお寺を引き継ぐ時 そのサザンカを末永く護って欲しいと願われました
其の時に云われた「ほとけさまの教えは木々や庭にもある」との言葉を思い出します

先日「咲くも無心 散るも無心 花は嘆かず 今を生きる」との詩に出会いました
仏教詩人である坂村真民さんの詩です
この無心の意味するところは 余分な「こだわる」心を無くすことです 
私達は 生まれ死んでいく人生の中で人や物に対して多くの「こだわり」を持ちます そしてその「こだわり」が過剰になると苦しみを生むのです そこでの苦しみは 自分の都合良く思い通りにしたいのに思い通りにならないということです これが様々な苦しみの根源なのです
お釈迦さまは「幸せという気持ちは心柔らかくし こだわり過ぎない心から生まれる」と教えられます 
サザンカは時が来たならば誰かにへつらい求める事をせず こだわりなく その花を懸命に咲かせるのです
私達人間にそのまま当てはめることは出来ませんが その「ひたむきさ」を私達は学ぶ必要があるのでしょう
世の中は思うように行かず 
嘆きたくなることも多くあります しかしそこに心を捕らわれていては前に進みません 「今やるべきことを精一杯勤め 一歩一歩丁寧に生きる」それがこだわり無き生き方となります
自然の姿からほとけさまの声と歴代住職が伝えたかった 教えがまたひとつそこにある事に気づいた私です 

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