曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

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たのしみ法話
たのしみ法話

仏をまねる []

愛知 東昌寺 芳賀成明 師

十二月八日はお釈迦様が「我と大地有情と同時成道」とお覚りになった日です。
「我と大地有情と同時成道」とは、お釈迦様が覚られたとき、同時に世界の全てが仏となったという証明のお言葉です。
修行道場ではそのお覚りを慕い、一日から八日に至る間、お釈迦様にならって坐禅に徹する「接心」という行事が勤められます。
この坐禅と仏という関係については、ご本山の修行時代一つの思い出があります。
ある日の坐禅中、普段の疲れで周りの仲間とこっくりこっくり居眠りしていると見かねたのか背後から「眠るな」とご老師の低い声が聞こえてきました。
続けて「起きとる者も、無念無想なんぞになろうと思うな。無念無想になっとるなら寝ておるか死んでおるかのどっちかだ」
「お前たちの坐禅なんぞは所詮ぼんくら坐禅だ、覚れるわけがない」
「だったらせめて仏のまねをせい、一分まねたら一分の仏、一日まねたら一日の仏、そうやって一生まねたら、本物の仏であったということだ」
「背筋を伸ばしてしっかり仏のまねをせい」とご注意を受けました。
当時はなるほどなぁと聞いておりましたが、
今思うととてもありがたいお示しで、お釈迦様に既に仏と証明していただいているわけで、あとはまねをして仏を実証していけば良いんだと承知しております。
これをお聴きの皆さんも、お釈迦様に証明された仏ですから、合掌でも挨拶でもお食事でも日常の何でも仏のまねをして仏を実証していただけるとお釈迦さまもご老師も喜ばれるのではないかなと思います。

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