曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

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たのしみ法話
たのしみ法話

当たり前ほど難しい []

愛知 善秀寺 徒弟 加藤宏典 師 

私には、三歳になる子供がいます。一緒に遊んだり、言葉や物事を覚えたり、いろんなことを日々学んでいます。子供の知識欲はすごいもので、何にでも興味を示します。
「どうしてこれは良いことなの?」「どうしてこれは悪いことなの?」そういった疑問もたくさん湧いてきます。その度に私は良いこと悪いことの理由を説明し、良いことはやりましょう、悪いことはやってはいけません、それが当たり前なんだよ。と教えてきました。
しかし、この当たり前というものがなかなかに難しいのです。

 その昔、中国のとあるお坊さんと詩人とのやりとりに、こんなものがありました。
詩人はお坊さんにこう聞きました。
「仏教の真髄とはなんですか?」
お坊さんはこう答えました。
「悪いことはしてはいけません、良い行いをしましょう」
それを聞いた詩人は、こう言い返しました
「そんな事は三歳の子供でも分かるではないか」
しかしお坊さんはこのように切り返しました。
「三歳の子供でも分かることだが、八十歳の老人でも行うことは難しいであろう」
こう言われては返す言葉もなく、詩人はお坊さんに謝ったそうです。

 「わかる」からといって「できる」とは限らないのです。また、それを行い続けるのはなかなかに大変なことです。
「良いことをしましょう、悪いことはしてはいけません」
子供にそう言い聞かせつつ、自分自身にも言い聞かせて日々気を付けながら生きていかなければなぁと、私は思いました。

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