曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

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たのしみ法話
たのしみ法話

処方箋 [1798 H27年1月19日〜1月25日]

静岡県 普伝寺 住職 豊田泰応 老師

 私も今年でいわゆる還暦を迎え40代、50代の時と比べますと、最近特に体に変調のあることに気が付く。ましてや、私たちの親は既に80歳を超え毎日のように今日は内科、明日は外科、そしてついでに眼科というようにお医者さんの掛け持ちをするくらいで、家に帰れば朝昼晩と7・8種類もの処法されたお薬を山のように飲む。人間は一説によると120歳まで生きられると聞きますが、しかし(おぎゃあと生まれてお亡くなりになるまで)ずっと元気でいられるわけでは無い。今の世の中の平均寿命、男性は80歳・女性は86歳と世界一の長寿大国日本になっているものの、平均寿命と健康寿命は比例を致しません。故に男性も女性も寿命を迎える5年、10年前より処方されたお薬は飲んでいるものの、病院へ入院される方、ご家庭のベッドで介護療養される方、また老人施設へ入居される方、様々のように大変多くの人たちにお世話になるものです。
 また、今の日本高齢化社会が波紋を呼びおいそれと入院・介護はもちろんのこと、老人施設へ入居することすらかなり困難なようです。そしていったん入院・入居すれば看護婦さん・ヘルパーさんに任せっきりで、家族の人たちがこないとも聞く。現代の姥捨て山なのだろうか?いずれにせよ、常に私たちのことを思い私たちの支えとなってこられた親であるのにと思うと寂しい限りです。
 もし、私にも親と同じ寿命があるとしたならば人生最後の処方箋として、お釈迦様の教えにもある「布施・愛語・利行・同事」のお言葉のように苦しいとき、辛いときに手をさしのべ常に寄り添う家族友人のやさしい愛情を共に交わす「ありがとう」の言葉があるとしたならば、その慈悲心こそが私にとって最後の処方箋だとおもっております。

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