曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

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たのしみ法話
たのしみ法話

心豊かに生きる []

愛知 安性寺 住職 柳澤宏昭 老師 

先日、ある有名な和尚さんのお話を聞く機会がありました。
「人は与えることで心が豊かになる。逆に与えられることを求めると心は貧しくなる。」という内容のものでした。
私は、この話を聞き、自分も「与える」ことで心豊かな人生を歩みたいものだなと思い、仏教の教えである「和顔施」の実践、つまり「他の人に笑顔を与える」ことから始めてみました。
しかし、この「笑顔を与える」ということ、実践してみると簡単ではないことがわかりました。心の状態が穏やかな時ばかりではなく、どうしても笑顔になれない時もあります。また、頑張って笑顔を作っても「与えている」という実感もなかなか得られません。
そんな折、お寺の行事で法話をさせていただく機会がありました。人前で話すことは不慣れで、緊張をしていたので大変聞き苦しい話であったと思います。そんな中、数名のお檀家さんは笑顔で頷きながら話を聞いてくれていました。きっと、不安そうな私を勇気づけようとしてくださったのだと思います。そのお姿に私は気づかされました。
与えよう与えようとするのではなく、まずは自分が他の人に与えられていることに目を向けるべきなんだと。そして、与えられていることに感謝をすることです。
他の人に感謝をする時、心から笑顔になれます。
私たちは、自分の力で生きていると思っていても、本当は多くの人の助けを受けています。
生きているのではなく、生かされているのです。
生かされていることに気づくことで感謝が生まれ、心豊かに生きることができるのではないでしょうか。
「与える」とは「恩返し」なのかもしれません。

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