曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)
たのしみ法話
たのしみ法話

素直な気持ちで []

静岡 成金寺 住職 山田資明 老師 

私は子供の頃、友達と一緒に外で色々な遊びをしていました。冒険と称して近所の川を横断した事や、田植えの為に水を張った田んぼに自転車ごと飛び込んで遊んだ事などを思い出します。服が汚れて泥んこになり心配をかけたので、よく大人に怒られたものです。
しかし、私の師匠である父は、心配をかけたことについて一度は叱りますが、その後「どうしてそうしたのか?」「楽しかったか?」と聞いてくれたのです。そして、父も木から落ちた事など、色々と話をして、私のした事への理解を示してくれました。
いざ自分が親となり以前の父と同じ立場になって感じるのは、子供が何か問題を起こした時に冷静な判断や対応をするのは簡単ではないということです。それでも、時間をおいて次第に落ち着きを取り戻したら、素直な気持ちで子供と向かい合うことを大切にしています。
子供がとった行動の原因やその時の気持ち、父である私の気持ちなど、お互いに理解をしようと話し合いをします。すると子供も次第に笑顔になり、いろいろな話をしてくれます。
この、お互いに向き合って相手の身になっている気持ち、これを仏教では「事を同じくする」と書いて「同事」と言います。曹洞宗の『修証義』というお経の中に「海の水を辞せざるは同事なり」「よく水あつまりて海となるなり」という言葉があります。この意味は「一滴一滴の水は全て違うが、その全てを受け入れるから、一つとなり海となる」というものです。
私たちは一人一人、考え方や感情が違います。しかし、そこで考え方の違いを認めなければ、お互い理解もできず溝は深まるばかりです。
素直な気持ちで、歩み寄り向きあう事が大切なのではないでしょうか。

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