曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

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たのしみ法話
たのしみ法話

まるで映画のような物語 []

静岡 宗清寺 大嶽素宏 師 

 昨年の夏に東京オリンピックが開催されました。その際にまるで映画のような物語がありました。東京オリンピックでジャマイカ代表の陸上選手が競技会場を間違えた際、大会スタッフの女性が正しい会場までのタクシー代を貸してあげたことをご存じでしょうか?
 オリンピックで大会スタッフを務めた河島ティヤナさん(ハーフですが、日本国籍)は、東京オリンピックの陸上男子110メートルハードルでジャマイカ代表の選手が、バスを乗り違えて誤った競技会場に着いた際、国立競技場までのタクシー代を自分のポケットマネーで1万円くらい貸してあげました。
 パーチメント選手は、タクシーで直接向かったことで、無事にウォーミングアップをし、レースに出場できました。彼は後日、彼女のもとを訪れてお礼とお金を返します。カバンの中からチラッと金メダルを見せます。彼女もまさか金メダルをとれるとは夢にも思っていなかったので、とても驚きます。
 日本では茶道や華道など相手の心を察することを重んじる文化があります。彼女ももしかしたお金がもどってこなかもしれないけれど、彼がこのオリンピックを目指して一生懸命練習をしてきたのにこんなことで無にすることはできないと彼の気持ちを察してお金を貸したと言っています。
 彼は「国を代表して深くお礼を述べたい。あなたの支援に心から感謝している。ありがとう」と伝えると河島さんは「私は自分ができることをただやっただけです」と応えます。ジャマイカ政府は、彼女をジャマイカへの観光旅行に招待したそうです。
 25才の若い女性が日本人として当たり前のことをしただけかもしれませんが、私たちの心を和ませてくれるエピソードでした。
 暑い日が続いております。皆さまどうぞお身体ご自愛の上、よい夏をお過ごしください。

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