曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

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たのしみ法話
たのしみ法話

布施していきましょう []

愛知 東照寺 坂倉太祐 師 

お布施というと何を想像するでしょうか?お寺さんに渡すお金を想像する方が多いでしょうか?
 よく子供と妻の三人で、妻の実家に遊びに行きます。行くと必ず笑顔で迎えてくれるおじいさんとおばあさん。子供も笑顔で家に入って行きます。車のおもちゃを使っておじいさんと遊ぶのが好きでいつも遊んでもらっています。おやつの時間になると大好きないちごをおばあさんが切って持ってきてくれます。喜んでパクパク食べては口いっぱいに入れるので注意されています。そんな子供ですが、ここ最近変化がありました。大好きなイチゴを私たちに渡しにくるようになりました。どうやら美味しいイチゴをみんなにも食べて欲しいようです。ありがとうと言って食べるとペコっとおじぎしてまたイチゴを取りに行きます。これを見た時に布施とは何か考えさせられました。
 「布施」とは「あまねくほどこす」と書き、よろこんで与えることです。道元禅師はこう言われております。「布施というは貪らざるなり」と。なにものをも惜しまないで施しをすることです。そのとき大事なことは施しても誇らず、施しを受けても卑屈にならないことです。ものの多少、大小を考えない行為であり、自分のできることをなにか世のため人のためにさせていただくことなのです。
 先程のお寺さんに渡すお金も布施ですが、財貨などがなくても実践できる布施もあります。やさしいまなざしを人に送ること。にこにこと笑顔で人に接すること。やさしいことばを人にかけること。労をいとわず身体を使って人につくすこと。なにごとにも心をこめて人のためにつとめること。座席を人にゆずること。部屋で人を休ませてあげること。普段何気なくしていることが実は布施なのです。これからは意識してたくさん布施していきましょう。

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