曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)
たのしみ法話
たのしみ法話

仏教が私たちに教えてくれること []

愛知 龍海院 住職 池田友厚 老師

西暦で申しますと、五世紀頃のお話。インドで禅のご修行をなされた達磨大師が、中国へ禅を広め、お釈迦様の正法を広める為に、南インドから船で中国に渡りました。
当時、中国には「梁」という国があり、その国の王であった「武帝」という方が大そう仏教への信心の厚い方で「インドから偉いお坊さんが来たんなら、是非その教えを聞きたいものだ。」という事で、お城へお招きになりました。
武帝が、「私は、お寺をいくつも建立し、たくさんのお坊さんに供養をしてきた。民の為にも慈悲深い政(まつりごと)をしている。この功徳は、どのようなものがあるんだ。」と達磨様に尋ねました。すると達磨様は一言、「無功徳。」即ち、「功徳なんて何もありゃせんよ」と答えられたんです。武帝はきっと、心で「大いに誉め讃えてもらえると思ったのに・・・」と思われたでしょう。でも達磨様は、「最初から見返りを期待してやるような善行、つまり善い行いに返ってくる功徳は、『あんなにしてやったのにお礼の一つも言いやがらん』といった愚痴や、恨みしか生まれませんよ」と教えたかったんでしょうね。善行の功徳は「相手が喜んでくれた」ということだと思います。「相手が喜んでくれたことを自分の喜びにする」これを「徳を積む」と言うんですね。
「自分がしたことで、相手が喜んでくれ、その『相手の喜び』を、『自分の喜び』とする」こんな風に生きていけたら素敵ですよね。
それじゃあ、仏教の御利益ってなんでしょう?私はね、「仏教とは己の未熟さを学ばせていただくもの」だと思っています。つまり、「仏様の御利益に預かれるような自分でない、今の自分に気付かせていただく」これが仏教から頂戴する一番の功徳なんですね。
だから、一生懸命にコツコツと善行に励む。時に良いことがあれば、「有り難い」と感謝し、「もったいない」と謙虚な自分に立ち返ることができるんだと思うんですね。
更に仏法を学び、更に自分を磨く努力を共にして参りましょう。

| top | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 次のお言葉 | 84 |