曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)
たのしみ法話
たのしみ法話

同事 []

静岡 太慶寺 住職 阿部雄山 老師

今、NHK大河ドラマで「女城主 直虎」が放映されています。私は引佐郡引佐町(現在は浜松市北区)ですが、この豪族井伊家がどうして江戸時代に彦根藩三十五万石の藩主として大老職の任を担ったのか不思議でした。
 それを知るために井伊家の菩提寺である龍譚寺と「直虎博物館」に行って来ました。
その中で(今川氏・武田氏・北条氏・織田氏等が群雄割拠する)という井伊直虎の生きた時代の厳しい現実を知ることができました。しかし、私が知りたかった「引佐町の一豪族でしかなかった井伊家が、どうして徳川四天王と呼ばれ大老まで上り詰めたか」の疑問は解決できませんでした。
図書館で田原総一朗著 プレジデント社刊の『井伊家の教え』という本を目にしました。この「あとがき」で井伊家十八代当主の井伊直岳氏の言われた
「直虎があのような力を発揮できたのは、井伊谷で多くの領民たち、家臣たちに慕われていたからです。つまり慕われ、愛される行動と言葉をリーダーとして持っていたからです。」という言葉から疑問が解決できました。
1020年から2017年の1000年の永きに渡って井伊家は延々と繋がっています。それには特別な秘訣があったのではなく
「慕われ、愛される」ことが秘訣だったのです。
今の社会を見渡すと「自分は運がない。」とか、「周りの人が羨ましい」と言って努力を怠り他に責任転嫁して「易きに流れている人が多い」と思います。
曹洞宗の管長の福山禅師が今年の告諭で
「一人ひとりの悲しみや苦しみを受け止め合い、支えあう同悲(同じ悲しみ)、同苦(同じ苦しみ)の生き方」を説かれています。
福山禅師の言われる「他人の悲しみや苦しみみを自分の悲しみや苦しみ」と感じることと、井伊直岳氏の「慕われ、愛される」ことが根本で同じだと思います。
「女城主 直虎」をこのような観点で見ることで自ら生きていく上での指針となる福山禅師の言われる「同悲・同苦」の生き方を実践できれば幸いです。

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