曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

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たのしみ法話
たのしみ法話

勝縁 []

岐阜 萬嶽寺 住職 皮地昇雲 老師

ニュースや新聞を見ておりますと、現代は無縁社会とか格差社会という言葉が毎日のように聞かれます。自殺者の数は毎年三万人を超え、孤独死、傷害事件、殺人事件のニュースが後を絶ちません。
パソコンやスマートフォンが普及して、お互いの顔を見ずに会話をしたり、知り合ったりすることが当たり前になりつつあります。自分だけ良ければそれでいい。他人は関係ない。など、他人に興味を示さず、命の尊厳や互いに支えあうという事が失われているように思います。人と人とのつながりも希薄になり、その結果、トラブルに巻き込まれてしまったというニュースも数多く報道されています。
しかし、人間が生活していく上で、もっとも大切なことは自分以外の人とのご縁・コミュニケーションではないでしょうか。私たちは生まれてからこれまでにとても多くの人々とご縁を結び、お世話になり、今日の生活が成り立っています。その中で幸せに日常生活を送っていくには、人とのご縁・コミュニケーションは不可欠と言えるでしょう。

『勝(しょう)縁(えん)』という言葉があります。
もともとは仏教語で、仏や悟りとの縁を言うのですが、それが一般的には良い縁として使われるようになりました。
『勝』という言葉は、勝ち負けの「勝」ではなく、すぐれたという意味。
『縁』というのは、事が起こるきっかけのことであり、その働きのこと。
したがって、勝縁とは、すぐれた縁ということになります。
何が勝れた縁かというと、事を起こした時、その関係者全員がプラスの経験をする縁ということ。そこにはマイナスの経験をする人や、被害者が一人もいない。お互いに独自の経験や能力を与え合い、そのことで多くの人たちの役に立てたとしたら、それはまさしく『勝縁』ということになります。

人は縁によって生かされています。人と寄り添い、助け合いながら生きています。これから出会う全ての人と勝縁の関係を結べるように、そんな気持ちで出会っていけたら、素晴らしい縁になることと思います。この出会いをきっかけに、お互いの人生をプラスに発展させていきましょう。

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