曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

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たのしみ法話
たのしみ法話

望みは無いけど光はあるさ []

愛知 龍洞院 渡津法晃 師 

 今は亡き、京都大学の心理学者河合準雄先生が、駅員さんに聞いた言葉です。河合先生は、今の「カウンセリング」の基礎を作られた方です。
 地方に出かけていた、河合先生が急いで駅に着いたところ、新幹線の駅員さんに、「のぞみはもうありません」といわれて河合先生は絶句しました。
 駅員さんは、その後「ひかりはあります」といわれ「なんと素晴らしい言葉だ」と感激されたそうです。
 駅員さんは、「のぞみは終わり、ひかりならまだあります」と事実を述べただけなのでしょう。終電近くならありうる話です。
 普通の人なら「そうですか。仕方ないな」で済ませるところでしょうが、こうした何気ない言葉に、河合先生は感銘を受けました。
 それは、患者さんから自殺をほのめかす、切羽詰まった電話をうけていたからです。学会で出張していた先生は、自分が駆け付けたからといっても、何ができるのかと思いながらも、とにかく夜遅い時間の新幹線の切符売り場に来ました。そこで耳にした駅員さんの言葉に希望を見出したのでしょう。
 私たちが「のぞみ」を失っても、仏さまの「ひかり」は私たちを照らしています、と受け取れます。
 のぞみは、「欲」で、ひかりは、お釈迦様の「悟り」普段はなかなか仏さまの光の存在に気付きませんが、私たちの煩悩の闇を仏さまの智慧や慈悲の光は常に照らしているのです。
さあ、みんなで「ひかり」にのりましょう。 

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