曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

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たのしみ法話
たのしみ法話

今を生きる []

静岡 教福寺 上田龍央 師 

 お檀家様から死後の世界はどんな所?死後の世界はあるの?という様なご質問を頂くことがあります。この質問に対してお釈迦様は例え話を用いてお答えしています。「ここに毒矢で射たれた男が居る。友人たちが心配して医者を連れてきて治療しようとしたとき、その男が<待て!この毒矢を抜いてはならない。矢を射た者が誰なのか、背は高いか低いか、色は黒いか白いか、毒の成分は何なのか、それらが分からない限り絶対にこの矢は抜かせない>と言っている。このままではこの男は死んでしまうだろう。今、大事なことは毒矢を抜いて治療し現在の苦しみをしっかり克服することである。死後の世界のことだとか、宇宙は有限か無限かなどの哲学的なことを考えて、今をおろそかにするようなことがあってはならない。」と説いておられます。つまり死後の世界については、あるともないとも答えませんでした。お釈迦様は「過去を追うな。未来を願うな。過去はすでに捨てられた。そして未来は未だやって来ない。だから現在の事柄をそのあるところに観察し、揺らぐことなし。よく見極めて、ただ今日なすべきことを熱心になせ。誰か明日の死のあることを知らん。」と説いています。つまりお釈迦様は今日一日、一分一秒、一瞬一瞬を大事に過ごして下さいとおっしゃっています。昨今の日本は台風や大雨、地震などの自然災害が多く発生していますがそのような災害に巻き込まれ突然命を失うという事もあるかも知れません。もしその時に後悔を残さない為にも出来る時に出来る事はやっておく、誰かに伝えておきたい思いや話があるのであれば伝える。明日にしよう、明日でいいやと考えるのでは無く、今出来る事、今日出来る事を一生懸命取り組むが大切であるということです。
また<今>の積み重ねがやがてやってくる未来にもつながっています。ですから<今>を大切にすることは未来を大切にすることでもあります。どうぞ、今日一日、一瞬一瞬を悔いの無いよう一生懸命お過ごし下さい。

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