曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

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たのしみ法話
たのしみ法話

トラワレの身 []

静岡 松岳院 伊藤大哲 師 

「4」や「9」という数字は、意識的に避けられることがあります。
例えばマンションの部屋に「4」や「9」の入った部屋番号がなかったり、3階の上の階が「4」階を飛ばして5階であったりもします。
 これは語呂合わせによるもので、「4」は「シ」と読み、命尽きる「死」を連想させる数字であり、「9」は「ク」と読み、「苦しみ」を連想させる数字であるからです。逆に「8」などは、漢字で書くと形が末広がりで縁起が良いとされています。
 私たちは、こうした語呂合わせによる迷信を気にしがちです。それは普段の生活の中で、様々な不安や迷いを感じているからではないでしょうか。
 その不安から「4」や「9」が不吉な数字であるとの考えに囚われてしまうと、なかなかそこから抜け出せなくなり、さらに不安がつのります。
 さて、ここで数字をお金に置き換えてみると、どうでしょう。
 9万円と8万円。どちらかを貰えるとしたら、どちらを選びますか?
 おそらくは9万円を選ぶ人が多いのではないでしょうか。私も迷わず高いほうを選びます。不吉や縁起の良さを連想させる数字もお金に変わった瞬間に、その印象がどこかに飛んでしまうのではないでしょうか。
 私たちは目の前に見える事柄を、自分にとって都合良く解釈し、その思考に囚われがちです。大切な事は、物事を正しく見て、正しく考えて、正しく判断しようとすることです。「4」も「9」も、単なる数字でしかないと正しく見る事ができれば、マンションの4階や9号室に不吉さを感じる事も無く、正しく行動を起こす事ができます。
 自分自身の思考にトラワレたこの身を少しでも軽くし、安らかな心で生活していきたいものです。

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