曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

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たのしみ法話
たのしみ法話

身と心を養う [1814 平成27年5月11日〜5月17日]

愛知 良徳寺 住職 中井良岳 老師

道元禅師さまが記した、『典座教訓』という、
食事に関するお話をさせて戴きます。
その、典座教訓に、
『食は心身を養う良薬と知る』
という言葉があります。
単に、空腹を満たすのではなく、
美味しさを楽しむだけでなく、
身と心を養うという、
食の役割に関する教えです。
現在の私たちは、お腹が空いたと思えば、夜中でも食事ができ、
また、お腹いっぱい食べることが幸せだと思いがちですよね。
また、こってりした味や 激辛でないと、
満足できない若者が
増えているような気がします。
体や心に美味しいかどうかを考えて
食事する人はそんなに多くないと思います。
そんな中、典座教訓には、
『料理には、三徳六味を揃えなさい』と
書かれています。
「三徳」というのは、
軽くあっさり(軽軟(きょうなん))、
そして 清潔でさっぱり(浄潔(じょうけつ))、
そして 正しい手順で丁寧に(如法作(にょほうさ))、
という心得です。
「六味」は、
一つ目に、淡い味(淡)
素材本来の持ち味を生かした淡い味の料理、
二つ目に塩辛い味(鹹(かん))
塩・醤油・味噌等で味付けした料理、
三つ目に辛い味(辛)
唐辛子・生姜等の辛味を利かせた料理、
四つ目に甘い味(甘)
エネルギー源でもある砂糖・芋類・豆類・果物を言い、
五つ目に酸い味(酸)
疲労回復を促す酢の物や甘酢炒め、
そして最後に苦い味(苦)
春の料理には苦みを盛れと言われるように春の山菜など、の六つの味です。
これを意識することで、
自ずと美味しくて見た目もよく、
また栄養的にも優れた
身と心を養う料理となります。
『省みて、貪らず。
食は心身を養う良薬と知る。』
食べておいしいと感じるだけでなく、
食べ終わってからも美味しさを感じる、
旬を尊び、淡味を生かす料理で
健やかな日々を心がけたいものですね。

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