お釈迦様の遺言といえるお経、遺教経というお経があります。このお経の最後の方に、お釈迦様が弟子たちに向けて次のように語りかけています。
会うものは亦た当に滅すべし
悲悩を懐くことなかれ
今より以後、我が諸の弟子、展転して之を行ぜば
即ち是れ如来の法身、常に在して滅せざるなり
このお諭は実に厳しいお言葉です。
会う者は必ず別れる。これは必然である。だから徒に悲しんでも仕方がない。むしろ大切なことは、仏が説かれた教えを、それぞれの生活の中に実践し続けることである。その限りにおいて仏の教えは滅びることはないのだと諭されているのです。いうならば、教えを生かすも殺すも、それはお前次第なのだということです。
私達は、祖先、親から頂いたものの上で生かされています。命はもちろん、縁や教え、財産など様々なものを。私達はそれらをしっかりと受継ぎ、自身の生活の中で実践し続けることが大切なのではないでしょうか。
私はお檀家様の法事の席で、祖先に向かう際は、胸張って幸せですと伝えられるような姿を見せてあげなさい。その姿を見せてあげれれば、祖先は必ず与えた命、縁、教えを守り生きているんだなと安心をしますよ。それこそ祖先孝行、親孝行ではないですか。と話を致します。
祖先、親から頂いたものは、よそ様に向けられたものではありません。自分自身がそれらとしっかり向き合い受け止めなければ意味がありません。それを生活の中で実践し続けることで、それらは時を経ても、形は多少変れども滅びることはありません。
生かすも殺すもお前次第、ならばせっかく頂いたものだから、大事に生かし、実践し続け、次世代へ受継ぎたいものであります。
祖先、親から頂いたものは、かけがえのない大切な贈り物です。今一度、見直してみてはいかがでしょうか?
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