曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

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たのしみ法話
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肥満の僧侶、ダイエットと布施 [1788 H26年11月10日〜11月16日]

愛知県 光明寺 副住職 加島明良 師

 今日、肥満の僧侶、急増中です。
 皆さんはダイエットしたことがありますか?
 私も30代後半になり、少し体のことを見にするようになり人間ドックに行ってみたり、健康について書いてある雑誌を読むようになりました。それで私もダイエットを始めたのですが、なかなか細くならないですね。僧侶でも法事などの正座で足がしびれるので、結構切実なんです。皆さんの家では、ごまかしごまかし頑張ってますから。
 というようなことがあり、最近雑誌やインターネットでダイエットについて調べていると気になるニュースがありまして、皆さんにも少し紹介したいと思います。
 今から2年前の2012年の9月29日にNHKで放送されたものなのですが、肥満のお坊さんがタイで急増しているというものです。
 タイという国は国民の9割以上が仏教徒です。お坊さんの生活の糧が托鉢で賄っています。日本と違うところは日本ではもっぱらお布施がお金になっていますが食べ物だということです。昔は、質素な家庭料理が中心だったのですが、最近は暮らしが豊かになり、お菓子や屋台の肉料理などカロリーの高いものを布施するそうです。布施された食べ物は全て食べるのが原則ですが、食べきれる量ではないそうです。けれどタイではお坊さんが食べることで、亡くなった先祖や家族が食べたことになると信じられていて、残そうものなら信者の方が、自分が布施した食事はまずかったのでは、とがっかりしたりするのだそうです。なので、できる限りお坊さんは食べるそうなのですが、おかげでお坊さん専門の肥満対策の病院ができるほどだそうです。ちなみに余談ですがタイのお坊さんは戒律で運動が禁止されているので、ジョギングやエアロビクスなどはできないので、ダイエットには相当困っているそうです。托鉢の距離を増やすしかないそうですが、距離が増えると余計にお布施の食事が増えるような気がします。
 では、体を壊してまでいただくお布施とは何なのか?日本も昔は野菜やお米などがお布施になっていました。高度経済成長を遂げ、農家が減っていったためにお金に変化していったと思われます。とすれば、お布施は何でもいいのか。今でもタイは食べ物なわけですし。
お布施とは、布を施すと書きます。なぜかといいますと、インドでお釈迦様が説法をおこなっていた頃のこと、一人のお坊さんがいつものように説法をして各家々を廻っていました。あるまずしいいえでのことです。「大変良い話を聞き、生きる希望が湧いてきました。しかし、ごらんの通り私の家は貧乏でお坊さんにあげるものは何一つありません。差し上げられるものといえば、赤ん坊のおしめに使っているこの布くらいです。このようなものでも良ければ。」ということで、お坊さんはその黄色くなった布をいただき、そのような布を集めては、つぎはぎのようにして衣を作っていったわけです。この衣が現在のお袈裟の起源であり、お布施の起源でもあるわけです。
よって、お布施というのは誠心誠意心を込めて人のために施しをすることがお布施なのです。そしてお布施というのお坊さんに対してだけではないのです。電車やバスで席を譲ってあげたり、道に迷っている人を案内してあげることなども布施なのです。今日のお話で少しでもお布施について理解が深まっていただけたら幸いです。

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