曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

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たのしみ法話
たのしみ法話

勤労感謝の日によせて [1789 H26年11月17日〜11月23日]

愛知県 寶泉院 副住職 村瀬慶信 師

 これを聴いておられるみなさんの周りの景色はどうなっていますか。木々は色づいているでしょうか。秋は実りの季節です。食卓にはお盆のころとはまた違ったものが並んでいることでしょう。みなさんの周りでも少し前には金色の稲穂が見られたのではないでしょうか。11月は勤労感謝の日があります。もとは五穀の収穫祭であって、そこから現在は勤労を尊び生産を祝う日とされているようです。
みなさんは体を動かして働くということをどんなふうに思っていますか。働くことが楽しくて喜びを感じる方もいるでしょう、反対に嫌だけど稼ぐ為にしょうがなく・・という方もいらっしゃることと思います。ところで、僧侶にとっての「体を動かして働く」はまた違うものです。
こんな言葉をご存じでしょうか。「一日作さざれば一日食らわず」。「働かざる者食うべからず」という言葉が他人から強制される表現なのに比べて、「一日作さざれば一日食らわず」は、ある日大切な労働をしそこなった老和尚が自分に向けられた言葉です。1200年程昔の方のお言葉ですが、野良仕事や草取り・掃除などの労働が、現実的な何かを得るためのものでなく、仏道の大切な修行そのものであるということを端的にあらわした言葉とされています。現在でも全国の修行道場では作務と呼ばれる労働の時間が日課としてあります。この季節はどこの道場でも落ち葉の掃除に忙しいことでしょう。坐禅やお経を読むこともちろん尊いことですが、この作務もまた動く坐禅として非常に大切にされているのです。
修行というのは多くの方が思っておられるようなものよりも、もっとごく身近で日常的なものです。日々の仕事、掃除、洗濯、炊事などは仏の法にかなった行為に変えることが出来ます。みなさんも何気ない日常の労働の中に仏を感じるとき、心安らかな時間が訪れれば幸いです。

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