曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

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たのしみ法話
たのしみ法話

初夏の味 [1828 平成27年8月17日〜8月23日]

岐阜 正林寺 副住職 荒田章観 師

昨年末のことですが、ニュースを見ていましたら「十二月下旬はイチゴの旬」というニュースが放送されていました。丁度クリスマスの時期でございますのでイチゴがたくさんあるのでそのように話していたのでしょう。ですがそこでふと「イチゴの季節は初夏ではなかったかな?」と思いました。畑に植えられたイチゴはもっと暖かくなってから摘んでいた覚えがあったからです。よくよく調べてみますと四〜五月とのことでした。現代はどんな時期でも季節を代表する食べ物を得ることができるようになり、「季節」を感じにくくなっていないではないでしょうか。
生活の中に季節はそれほど重要ではない。と思われる方もいらっしゃるかもしれません。ですがどうでしょう?イチゴの旬がいつの間にか変わって思われてしまうように、本当のものを見失ってしまうことがあるのではないでしょうか?それぞれの季節を告げてくれる声が聞こえなくなるように、本当に大切なものを見逃してはいないでしょうか?
道元禅師は「春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえて すずしかりけり」おっしゃられました。春には花が咲き、夏にはほととぎすが鳴き、秋は月が映え、冬には雪が降る。四季のある日本では当たり前に感じることなのかもしれません。ですが、この当たり前にあることを感じ、そのことを受け入れることが重要なのです。
もうすぐ梅雨が始まり、「夏ほととぎす」の季節となってまいります。夏の食べ物も一年を通して手に入れることのできる現代ですが、そのような中であるからこそ、本当に四季を感じ、今を感じることが幸いなことではないでしょうか。

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