曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

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たのしみ法話
たのしみ法話

佛はいのち [1849 平成28年1月18日〜1月24日]

三重 光明寺 住職 古田浩照 老師

 先日、ふとテレビをつけると、ある芸能人の方が乳がんで片方の乳
房を切除した体験や、若くして癌で命を落とした女優さんの闘病生活
を描いた番組を目にしました。
 修証義というお経の中に「人身得ること難し、仏法値うこと希なり」
とあります。この世に人として生まれてくること、まして仏の教えに
めぐり逢うことはとても難しいことといわれています。この掛け替え
のない「いのち」を受けている私たち人間は、生まれ、老い、病み、
やがて死んでいく身であることは誰しも避けることは出来ません。
 私の体も他ならず、十年ほど前に癌に犯され、手術後も治療等で苦
しみ、病と向き合う生活を余儀なくされました。家族をはじめ、主治
医の先生、看護師さん、偶然にも同じ病状で同室で共に励まし合った
二人のお仲間や多くの皆様に救われました。まるで観音様が姿を変え
て救ってくださったようで、とても有り難く自然と手と手を合わせて
いました。また、入院中外出の許可が下りた陽だまりの中、心地よい
風を受け、眼に見える全てのものが光り輝き、尊いものに感じられま
した。このとき、全てのいのちは、「佛の御いのち」であると実感し、
生かされていることに気付かされました。お釈迦様は、病気を病気の
まま、命をいただいたからこそ病気というご縁をいただいたのだ。と
縁起の道理をお説きになりました。
つまり私たち人間は、生まれ老い病み死にゆく身であることを厭うこ
となく、思いどうりにいかない我が身に気付き、生かされていること
をたえず見つめ、ご縁のままにこの仏の御いのちを一日一日、生きき
っていくことが大事なことなのです。
きっと大切な何かが見つかるはずです。

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