曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

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たのしみ法話
たのしみ法話

ご縁と慈悲 [1853 平成28年2月15日〜2月21日]

静岡 森龍寺 住職 藤田和憲 老師

 最近少し体重が増えてきたので、ダイエットをしたいと思っています。
 食欲は、生命の維持には欠かせない欲望ですが、食べすぎが体に良くないことはわかっています。心を鎮め穏やかな気持ちでいることで食欲も抑えられ、ダイエットになるかもしれません。心を沈めると言えば瞑想や坐禅を組むと良いとは思いますが、食事のたびに瞑想や坐禅を組むのは難しいでしょう。
 曹洞宗には「五観の偈」という食事の前のお唱えの言葉があります。これをお唱えすれば心が落ち着き、食欲を抑えられるかもしれません。「五観の偈」とは次のような言葉です。
一つには功の多少を計り彼の来処を量る。
二つには己が徳行の全欠を忖って供に応ず。
三つには心を防ぎ過を離るることは、貪等を宗とす。
四つには正に良薬を事とするは、形枯を療ぜんが為なり。
五つには成道の為の故に、今比の食を受く。
1、この食事の為に、多くの自然の恵みと人々の苦労を思い、感謝して頂きます。
2、私は、この食事を頂くに値するだけの徳のある行いをしたか反省し、頂きます。
3、心を清浄に保ち、誤った行いをせず、執着を離れる為に頂きます。
4、この食事は薬であり、体を養い体調整えるために頂きます。
5、仏様としての行いを成す為に頂きます。
 だいたいこのような意味になるでしょうか。つまり、この食事が食卓にのぼるまでに、多くの方の御苦労があったことを思い深く感謝し、自分はこの食事をいただくに値する行いをしているか反省する。
 食事をするときは、貪らず、味や量などに文句を言わないで食べる。また食事は薬であって生命を維持する分だけにする。そして、人々のために働く菩薩道の実践の為に、食事を頂くと言う気持ちを忘れてはいけない。
 仏教では毎日頂く食事にこのような祈りや願いを込めていたのです。
 体のダイエットのも大事ですが、今の自分にとっては心のダイエットも必要なようです。
 和気あいあいと食事をするという、現代の感覚とは違いますが、食事は仏様の修行そのものだと自覚して、これからは「五観の偈」をお唱えしたいと思います。

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