曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)
たのしみ法話
たのしみ法話

心に栄養を []

愛知 長興寺 副住職 田中真丈 師

仏教には「利他」と言う教えがあります。利益の「利」に他人の「他」と書きます。意味は他人に利をもたらす、つまり人の為になる事をする。しかし、ここで最も大切な事は、「見返りを求めない」という事が根底にあります。
 この一つがボランティアです。現在、日本各地に於いて、様々な天災が起きています。私自身、東日本大震災以降、青年僧の御役にて、現地へ足を運ぶ機会が幾度もありました。現地へ伺い、被災された方々とお話しをすると、こちらが励まされて帰ってくる、と言う事が多くありました。というのも、現地の方々は総じて、自分たちにこうお声をかけて下さいます。「本当にありがとうございます」とか「こんなに遠くまで御苦労さまです」と。本当に心からの笑顔で出迎えて下さるのです。その言葉を聞いた時、またその笑顔をみると、心が「ほっこり」と温かくなります。被災された方々を励まそうと、現地へ伺っている自分たちが、逆に励まされ、勇気、元気をもらって帰郷します。
人の為に尽くさんと自分が行動した時に、逆に自分に「利」がもたらされている事。ここでいう、この「ほっこり」とする温かい気持ち。この「気持ち」は決して見る事は出来ません。又、形として存在するものでもありません。ですが、この心の中に生じる気持ち、これこそが「利他」の教えであります。これはまさに「仏性の目覚め」でもあるのです。
 人間は誰でも自分が可愛いものです。しかし、だからといって自分の利益だけを考えてはいけません。自分の事を忘れて、人の為に尽くす事が大切だとお釈迦様は説かれております。皆様も自分の事を忘れる時間をつくってみてはいかがでしょうか?

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