曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

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たのしみ法話
たのしみ法話

感謝 []

静岡 金正寺 柿本丈展 師 

皆さんはいつ、だれに感謝の気持ちを伝えていますか?感謝の気持ちを伝える時に「ありがとう」と言いますよね。また、「ありがとう」と口に出すと心は穏やかになります。実際に私の家庭でも物事の大小に関わらず、妻や子供に感謝の気持ちを伝えています。
先日、息子が手術をする為入院しました。小学生の息子は1週間も1人で外泊する事がなかった上に、手術をすることになったので大変不安だっただろうと思います。妻は毎日病院に通い、着替えや暇つぶしの本を持っていき、出来る限りの時間を息子と過ごしました。最初は緊張していた様子でしたが、次第にお友達とも話をするようになっていて安心した様子が伺えました。退院時、息子は妻に突然「有難う」と伝えたそうです。毎日病院に通うのに大変な中通ってくれたこと、出来る限り一緒にいた事を感謝してのことなのか、この時私は、息子が心から感謝したと思っています。
「ありがたい」とは、漢字で書くと「難有」と書きます。「難がある」といっても決して欠陥品のことではありません。仏教からきた言葉で、人として生まれ、仏様の教えに出会うことは、有ることが難しい、ありえない、めったにない「その、めったにないことに出会えたことに、感謝します」という意味なのです。そして感謝の言葉として「ありがとう」となりました。
当たり前に「有難う」を伝えるのではなく、思考回路を変えて「当り前じゃない」という思いに繋がる感情は「ありがたい」や「感謝」なのです。また、感謝の言葉を伝える時は表情・視線・しぐさ・声の大きさによって伝えられた方も穏やかな気持ちになります。感謝はするのでなく自然に湧き出るといいですね。

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