曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

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たのしみ法話
たのしみ法話

お陰さま []

愛知 松元院 住職 矢原耕道 老師

ご主人を亡くされて十数年、月参りを続けておられるお宅にお伺いしますと、、
暑い日は部屋を適度に冷やし、寒い日はスト―ブで部屋を暖めて待って下さいます。目には見えない心遣いで迎えていただきます。
そんなお宅おばあさんは、お経を読み終わるといつも「お蔭さまで今月も仏さんに手を合わす事できまあした。」とよくこうおっしゃいます。そして、「仏さんのお陰で長生きさせてもろうて有難いです。」とおかげさまと何度も口癖のようにお話されます。
この「おかげさま」と言う言葉「お」と「さま」はお釈迦さまとかなどと言うのと同じ敬語であります。「かげ」とは、「見えないもの」と言う意味です。
今ある命を戴いた祖先や、自然の力添えや目に見えない恵み、形に表せない様々な助けに対する感謝の表現が「お蔭さま」と言うことばなのです。
今、世間の様子を見ますと「科学で証明できないものは疑わしい、目に見えないものは信じられない。」そんな考えが多く、とかく目先のことや眼に見えるものにとらわれがちで、不平不満に明け暮れ「おかげさま」と言う思いを失っているのではないでしょうか。
毎日の食事にしても、植物や動物の命のお蔭で健康を保たれています。自然現象とはいえ太陽や空気、水の恩恵がなければ生きて行く事は不可能です。
当たり前と思っていたことが実は有難いと気付かされる。そして大自然のお蔭である、ご先祖様のお蔭である事に気付き、あらゆるものの中で生かされて生きていることを決して忘れてはなりません。
このように自分の意思を超えた目には見えない御縁や思いやりによって私達は見守られています。お蔭さまの心でご先祖様をはじめあらゆるものに感謝したいものであります。

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