曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

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たのしみ法話
たのしみ法話

目に見えないつながり []

静岡 東泉院 副住職 金田祥道 師

3月にはお彼岸があります。
お彼岸には、お墓やお寺へお参りに行く人も多いですね。
お墓に行き、亡くなった人の名前を見ると、自分には会ったことがない、こんなに沢山のご先祖様がいて、
そのご先祖様あっての自分なんだと実感します。
そして、目に見えないご先祖様とのつながりや思いこそ大事にしなくてはなぁと思わせてくれます。
先日、子供が私の作った料理にトマトが入っていないとダダをこねました。
私は、「今の時間じゃ、トマトを買いに行けないから、今日はおうちにあるものを使って、おいしく食べようよ。」
と言いました。夕方の忙しい時間で、私の口調は少し強めになってしまいました。
それでもこどもは、「トマトがないなら、おいしく食べられない。」と反発するように、私の言うことを聞きません。
「それじゃあ、ちょっと本堂へ行って仏様がなんて言うか聞いてみようよ。」と私は言いました。
うちのお寺の本堂には、お顔の怖い不動明王様がおられます。子供をお不動様の前へ連れていき、
「お不動様のお顔をみてごらん、なんて言っているかな?」
「声にだしては言わないけれど、心の声でお話しているよ。」
「私には聞こえるけど、たいちゃんにはきこえるかな?」
子供は、涙の残る顔に笑顔を浮かべて、「うん」と答えました。
「仏様も、亡くなったひいおじいちゃんたちも、みんな たいちゃんを見守っていてくれるんだよ。
時々、また仏様の心の声を聞きに来ようね!きっと良いアドバイスがもらえるよ。」
「そうだね」と元気な声が本堂にひびきました。
たいちゃんには、仏様の声が何と聞こえたのでしょうね。こわいお顔をしながらも、
「しっかり頑張れ」と,あれが欲しい、これが欲しいというわがままな自分や迷いの世界から
煩悩を断ち切るように導いてくれる心のこもったお不動様の声が聞こえたのではないでしょうか。
それと同時に「そんなに強い口調で子供に話をしなくても良かったのではないかい?」
と私にも仏様の心の 声が聞こえました。
皆さんも、亡きご先祖様や仏様と心の声でお話をされてみてはいかがですか。

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