正法眼蔵随聞記の一文に「霧の中を行けば覚えざるに衣しめる。」よき人に近づけば、覚えざるによき人となるなり。というお言葉があります。私はこのお言葉を「仏縁に包まれて日々を過ごしていれば、自然と仏心が身に付いていくものである。」と理解をしています。
先日、静岡県の私が住む地域で「授戒会」が行われました。「授戒会」とは、法話を聞いたり過去現在未来の仏さまや諸菩薩、お釈迦さまなど多くのお祖師さまに対して礼拝をしたり、坐禅やご先祖さまに対する供養のお経を読むといった、仏さまの弟子になる為の修行を行う法要です。
今回の「授戒会」には約五十名の方が参加をしてくださいました。初日は緊張と不安な表情をされている方が多くいましたが、二日目、三日目と日が経つにつれて参加者の皆さんの表情が変化していくのが感じられました。それは「仏さまの弟子になるんだ。」という決意から来る表情の変化であったように思います。変化があったのは参加をされた方だけではありませんでした。参加をされている方々と一緒に過ごしていた私たち僧侶の表情も変わっていったのです。それは「参加をしてくださっている皆さまが仏さまの弟子になる為のお手伝いをさせていただいている。この行いは自分にとっても大切な行い、修行なんだ。」という覚悟から来る表情の変化だったのです。
五日間の「授戒会」で共に修行をさせていただけたことにより、私は改めて仏縁の中で生活をすることの有難さと日々の修行の大切さを感じることができました。初めは「参加者の方が仏さまの弟子になる為のお手伝いをする。」という考えだったのですが、「授戒会」という仏縁に包まれて過ごしている間に「この行いは自分自身にとっても大切な修行なんだ。」と気づくことができたのです。
「授戒会」に参加をされた方の決意と私自身の覚悟こそが、仏縁に包まれて過ごしていたことで自然と身に付いた仏心だったのです。
私たちは仏縁に包まれて生活をしている。ということに気づくことが仏心を身につける第一歩となるのです。
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