曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

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たのしみ法話
たのしみ法話

袖振り合うも多生の縁 []

静岡 宗清寺 大嶽素宏 師 

 「愛別離苦」、愛する人とも必ず別れる苦しみが、この娑婆世界では避けられません。

 テレビの日曜劇場「半沢直樹」この前が最終回でした。堺雅人も名演技で銀行員バンカーとしての誇りと正義、剣道のシーンもあり、銀行の頭取の役を北大路欣也も渋い演技でした。最後のセリフが「さらばだ」と言い残して銀行を去っていくんですね。

 「サヨナラだけが人生だ」このお酒の盃をうけてくれ。どうぞ なみなみつがせておくれ 花に嵐のたとえもあるぞ 花が咲くと 雨風で散ってしまう
「サヨナラだけが人生だ」井伏鱒二

 私たちは街中を歩いているとき、たくさんの人とすれ違います。
 その人とすれ違うのは一生で一度、ほんの一瞬の出来事であったとしても、あなたとその人がすれ違ったのは過去世からの因縁によるものだと考えられています。

 そんなささいなことでも過去世からの因縁があるのですから、(学校や)職場で会ったり近所に住んでいる人はより深い縁があり、ましてや家族ともなればどれほど深い因縁があったかはかり知れません。

 私たちは、過去に何度も生まれては、死を繰り返してきましたから「多生」といいます。
 「多生の縁」とは、過去に幾度も繰り返した生死の中で何度も会っては別れ、会っては別れてきたからこそ「袖振り合うも多生の縁」で、今生でもまた会うことができます。

 そして多生は過去、現在で止まりません。
過去世で別れて今生で出会ったように、今生で別れてもまた来世のどこかで会えるのでしょう。
 だから多生は、果てしない過去から永遠の未来にわたる限りなく遠い期間のことです。
 「今周りにいる人たちも過去世において友人知人家族だったことがあったのだろう」と思いますと、周りの人に対してより大切に接することができるのではないでしょうか。 

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