南アメリカ・ウルグアイの元大統領ホセ・ムヒカさんが今年5月13日に89歳でお亡くなりになりました。大統領在任中も農場での生活を続け、古い愛車を自ら運転して仕事に出かけるなど、その質素な暮らしぶりから“世界一貧しい大統領”とも呼ばれていたムヒカさんは、2012年の 国際会議で「貧乏な人とは、少ししか物を持っていない人ではなく、無限の欲があり、いくらあっても満足しない人のことだ」と発言しています。
さて、皆様はお釈迦様の教え八大人覚(はちだいにんがく)の「知足」という言葉をご存知でしょうか。知足とは知識の知に手足の足と書いて知足(ちそく)と読みます。意味としては、字の通りでありますが、足る(たる)を知るということです。人の欲望には底が無く、求めれば求めるほど欲望が満たされないときに苦悩が生じます。私たちはそうならないように、多くを求め過ぎず、今・現状に満足をして、「ありがたい」と感謝の気持ちを持つことが大事ではないでしょうか。
ムヒカさんが国際会議で発言した内容はお釈迦様の教え「知足」と重なるところがあると自分は感じています。我々一人一人が過度に要求を求めすぎることなく、自分が安心して生活が出来ている今・この時を幸せと感じることが出来れば、世界で起きている国や民族間で起こっている戦争や諍いが減っていくのではないでしょうか。他人を思いやり、自然も含め自分を取り巻いている環境を慈しみ、感謝の心を持ちながら日々の生活を送りましょう。
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