先日、こんな質問をされました。「神社ではお詣りをするときにお願い事をしますが、お寺ではお願い事をしてはいけないと聞きました。これは本当ですか?」答えから言います。お寺でお願い事をしてはいけない、ということはありません。
では、どうしてお願い事をしてはいけないと言われているのでしょうか。それは、お寺の本来の役割である、「仏教の教えを学ぶ場所」という考えが今でも残っているためです。
しかし、今では逆に、お寺側がお寺に相応しいお願い事の仕方を教えています。
では、お寺でのお願い事はどのようにするのでしょうか。
まず、お寺は仏様が祀られている場所です。お寺の仏様にお参りすることで、本来、仏様がいらっしゃる悟りの世界とつながることができます。悟りの世界は皆様のご先祖様もいらっしゃる場所なので、お寺はご先祖様ともつながる場所でもあります。私たちが、今、こうしてこの世に生きているのも、ご先祖様が命を与えてくださったおかげです。この命の尊さを教えてくださってる仏様と、命を与えてくださったご先祖様に感謝の誠を捧げ、その恩に報いようとお誓いするのが、お寺での本来のお願い事の在り方なのです。
ですので、お寺でお願い事をするときは、感謝の気持ちを忘れずに、お願い事をしていただければいいのです。
ですが、注意点があります。お願い事でも、自分勝手なお願い事はしてはいけません。自分勝手なお願い事とは、「試験に合格させてください」こういった、感謝の気持ちを伝えずに、自分の思いだけを伝えるお願い事のことです。
そうではなくて、「いつもありがとうございます。試験に合格できるように勉強を頑張りますので、見守っていてください」こういった伝え方が、お寺でのお願い事の伝え方なのです。
大切なのは、感謝をしてお誓いをすることなのです。自ら努力し、背中を押してもらうために力をもらう。それがお寺でのお願い事の在り方なのです。
お寺は仏様とご先祖様に感謝の気持ちを伝えて、その恩に報いることができるように自分のお誓いを伝える場所です。是非、お願い事をしにお寺にお参りに行ってください。お待ちしております。
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