お墓参りに来たお檀家さんと話をしている時のことです。「慣れ親しんだ方と接することは難しいことではないが、初対面の方と接する際にどのようなことに気を付けた方がいいでしょうか?」と尋ねられました。
私は「それでは四摂法を実践してみてはいかがでしょうか」と答ました。
四摂法とは、道元禅師が著した正法眼蔵の「菩提薩(土垂)四摂法」の巻に記された、人と接するにあたって四つの摂めるべきこと、人に接するための四種類の方法のことを意味します。
1つには布施、与えること
2つには愛語、愛のある言葉、思いやりの言葉
3つには利行、他のために尽くすこと
4つには同事、協調すること
人と接するにあたってこの4種類の修行法を実践して行くことが重要であると述べられました。
与えるということは貪らないことであり欲張らないこと粗末なものでも分け与えることによって世界に幸福を生みだし、愛のある言葉は慈しみの心を起こし、思いやりの言葉をかけることである、愛のある言葉は世界の情勢を変えるほどの力があり、他のために尽くすことは区別をせず多くの人に利益をあたえる努力をすること、同調することは自分自身も含め他の人に対しても異をたてないこと柔和な表情で一切のものに対処していかなければならない。と述べられました。
一度にこの4種類の方法を実践することは非常に難しいことです。この4種類の方法の中から1つでも思い出していただくことで、自分自身の心に余裕が生まれ、接した相手にも心の余裕が生まれると思います。
多くの方が心の余裕を持つことでより良い世界が訪れるのではないでしょうか?
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