曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

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たのしみ法話
たのしみ法話

帰依する心 []

三重 善光寺 牧野正人 師 

 こんにちは 皆さまのご家族や大切な居場所などに人が「帰依」する、つまり、よりどころがあるとお考えになられたことはございますか。例えばご自宅に戻られてゆっくりと大切な人たちと過ごされることがありましょう。他にも困っている人に対して手を差し伸べることや、あるいは差し伸べていただいていることをよりどころと感じることもあるでしょう。人にはそれぞれのよりどころがあるものです。仏教の教えの中に三帰戒というお示しがございます。何度も「帰依」という言葉が出てまいります。帰依という字は帰るという字と人偏に衣と書きます。
仏の御子である私たちが仏さまの教えを信仰し、それをよりどころとして日常の中で、その行いをよりどころとするという事なのです。「南無帰依仏・南無帰依法・南無帰依僧・帰依仏無上尊・帰依法離塵尊・帰依僧和合尊・帰依仏竟・帰依法竟・帰依僧竟」文字や言葉で聞くととても難しく聞こえてくるでしょう。ところがそんなに難しいことではなく私たちが日頃感じている感謝や手を差し伸べていることを説かれているのです。
先日ある方の講演会に出かけました。お話も終わりにさしかかりました頃、こうおっしゃられました。「そろそろお家が恋しくなりませんか。私も恋しくなってまいりました。それではここらへんでお開きとさせていただきましょうか。ではまたお会いいたしましょう」と言われて帰る場所である、よりどころがあるということは当たり前ではなく幸せなことであると改めて感じました。
仏さまをはじめとしてご先祖さまや私たちのよりどころとは見えない糸ではありますが繋がりである、ご縁でございます。日常で生きる力である、よりどころとは人を訪ねたり、訪ねてもらったりとご縁で繋がることで感謝や省みる心が生まれ、今日、または明日への生きる力や道に変わっていくのでしょう。私たちが仏さまの御子として帰依する心が変わらずご縁を大切に生きる道標となりますように切に願っております。
では、そろそろお家が恋しくなりませんか。私も恋しくなってまいりました。それではここらへんでお開きとさせていただきます。ではまたお会いいたしましょう。

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