曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

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たのしみ法話
たのしみ法話

仏の種を磨き戻す []

静岡 萬松院 吉田宏得 師 

私たちは、ご先祖さまを通して親のご縁を頂き大切な命を預きました。この命の温もりの中に、仏の種を授かっているとお祖師様達は導いて下さっています。
誰もが、生まれたばかりの頃は何にも欲はなく、只々に母にすがってお乳を頂きます。日ごとに成長し知恵が芽生えて、徐々に好きなもの欲しいものと自分の要求が段々に増えていきます。そうすると自ずと生じる思いが現れます。
自分の思い通りになれば無邪気に喜びニコニコします。ならなければ無邪気に泣くという姿が見えます。しかし残念ながら、思いが適い喜びの結果だけであれば良いのですが、そうは易く行きません。
つまり望むことがあればその結果に喜怒哀楽が見えます。表裏一体の結果ご縁です。これからが煩悩の始まりにもなります。もともとは清らかな真心つまり仏の種を授かりましたが、成長するにつれて、日々の営みの中で大小の悩みを通して、いつの間にか気付かぬうちに清らかな仏の種である真心が、傷がついたり、埃をまとったりしてしまいます。
これを例えると、透明な窓ガラスは毎日外の景色が見えていますが、お掃除して綺麗に拭えば汚れが除かれ、更に明るく綺麗に景色を覗かせてくれます。
私たちの真心・仏の種も、知らず知らずの間に、煩悩で汚れてしまっています。この汚れに気付いて磨き戻し、本来の輝きに戻す事が大切な事です。
貪(貪欲に求めること)、瞋(自分の心に執着して怒ること)、痴(無知で愚かな考え方に囚われること)の“三毒”と言う煩悩に気付いて、仏の種を汚さない様に自己を大切に気遣いましょうと、仏様はお諭し下さっています。
 どうぞ時には三毒を払って、元々備わっている仏の種を大切にされて下さい。

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