令和六年甲辰キノエタツ歳の初春を迎え
おめでとうございます
コロナも昨年中に第五類となり、少し安心したと思いきや、感染者数もかなり増えたりしております。
どうか皆様、コロナもインフルエンザにも患らない様にお気を付け下さい。
そして、此の一年も又、教化センター発信のテレフォン法話をご利用下さって、お娯しみ頂ければと願っております。
さて、「小人閑居して不善を為す」と云う言葉はお聞きにもなった事でしょう。
今では小さい人と書いてあると、それは子供料金の表示で、大きい人と書けばおとなを意味する事が多いんでしょうが、ここで云う小人とは、人としての徳がない人。いわゆる人格者とは云えない人の事であります。
反対に大きい人と書いてダイニンと云う時は、徳の高い人格者、君子と呼ばれるにふさわしい人を指します。
この「小人閑居して不善を為す」と云う事は、徳のない者、小人物はひとりで暇にしていると、良くない事を考えたり、悪い事をしたりすると云うんです。
この言葉は、人間の本性とか学問の目標とかを論じた
「大学」と云う文章に出てくる言葉です。
そしてその言葉に続いて「君子は必ず其の独りを慎むなり」と出てまいります。
つまり小人と云われるような人は、自分が独りでいる時は、人の目がないので、他の人に見られてはいないので、ついつい見苦しい事や、善くない事でもやってしまうと云う事でしょう。
そんな風に云われると、どうでしょうか思い当たる事がないでしょうか。人の見ている前では決してやらない事でも、人の目がなければついついしてしまうと云うのです。
そんな処を人に見つかったりしたら、急いでその事を隠す様にしたりして何もしていない様に見せるんでしょうが。でも人の目と云うのはそんなことはお見通しで隠しおおせるもんじゃないんですよ。
だからこそ「君子は必ず其の独りを慎むなり」と注意するんですネ。
どんな時だって、心の中から、心底本当に誠実にしていなければ、どんなに飾ってみたって人の目にはすぐ解ってしまうんですよ。
自分を立派な、徳のある人間にしようと努力するには、独りでいる時こそ気を付けなければ駄目だと云うんです。
よく云うじゃありませんか!「天知る、地知る、己れ知る」
この言葉は、誰も見てないし、誰にもわかりゃしないやと思ったって、天はいつも見ていますよ。どんな風にしたって、それは総て大地の上での事で全部知られているんですよ。
第一自分自身が全部知っているんじゃありませんか。
だからこそ「君子は必ず其の独りを慎むなり」です。自分だけ、一人だけでいる時こそ、欲望に流されない様に心を引き締めて気を付けろと云うんです。
あなたに云うだけじゃありません、私こそ今日只今より改めて気を付けなくてはと強く思います。
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