曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

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たのしみ法話
たのしみ法話

愛語・やさしい言葉を語ろう []

愛知 平田寺 住職 長谷川史道 老師 

『愛語というは、衆生を見るに、先ず慈愛
の心を発し、顧愛の言語を施すなり』
これは「人と話をする時に、まずは優しさの心を働かせて、よく顧みられた愛の言葉をかけてください」という道元禅師のお言葉で、言葉かけ一つにもよくよく注意しなさい、というお諭です。
 さて、現代では、脳の研究をされている先生方が、私たちの脳の働きに、言葉が大きく作用することを指摘しています。脳の働きの中で一番原始的な脳と言われる部分は、爬虫類のワニと同じしくみで、体温を調節したり心臓を動かしたりすることをつかさどっているのですが、自分が話している言葉の主語がわからない、誰を相手に言っていることなのかわからないそうです。
 ひどい言葉や汚い言葉を使えば、たとえ他人に向かって言っていても、自分の命の源をつかさどっている脳が、まず自分のこととして、聞いてしまっているということになります。またその部分は時間がわからないとも言われます。いい言葉、明るい言葉を使っているとその方向に命・生き方が向かっていくそうです。
 こんな話しを聞きました。
今年、長きにわたるスランプ・様々な困難・問題を克服してツアー優勝を果たしたアメリカ人ゴルファー・タイガーウッズ選手が試合中に心掛けていることです。
 それは、対戦相手がパットを打つとき、ウッズ選手は心の中で「入れ、入れ」と念ずるそうです。普通なら外すことを願いそうなものですが、相手の失敗を願う気持ちは、そのまま自分自身の失敗に繋がることを、永い経験の中で学ばれたんでしょうね。
 『愛語能く廻天の力あることを学すべきなり』愛語には、天や神の意思をも変える力があることを知らなければならない、それほど真心の込められた言葉には素晴らしい力がありますよ、とも道元禅師はお諭になっています。
 私たちも日々、良い言葉・明るく楽しくなる言葉を語りたいものです。

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