『天上天下唯我独尊』という言葉を皆さんはご存知でしょうか?この言葉は現在の暦で言う四月八日にお生まれになったお釈迦様が、その直後、四方に七歩歩いてから天と地を指さしておっしゃられたとして今に伝えられています。しかし、その正しい意味を知っていらしゃる方は少ないのではないでしょうか。
「唯我独尊」の部分を「唯だ我のみ独り尊し」と読むと、「自分こそがこの世界で唯一無二の存在であるので自分だけが一番尊い」という自己中心的な解釈となり、これが現在多くの人が認識している意味となっています。しかし、自らの命を賭して得た悟りの全てを多くの人に伝えられたお釈迦さまがそのように思われるでしょうか。勿論、そんなことはあり得ないということは皆さんのほうがお分かりかと思います。
本来は「唯だ、我、独りとして尊し」と読み、「自分という存在はこの広い世界の中で決して代わりはいないただ一人として生まれている、だからこそこの命のままが尊い」というのが正しい意味です。つまり、決してお釈迦様だけではなく、今を生きる「自分」たち一人一人がそのままで尊い「命」なのだと理解することが大切なことなのです。
現代の日本では、目の色、肌の色、使う言葉の違う人々と接する機会が多くあります。そんな時、「自分と違うこと」に恐れを抱かずに、むしろそれこそが「自分」たちのままでお互いを讃え合い共に手を取り合う為に必要なことなのだと気づけるはずです。
どうか、お釈迦様のお言葉を胸に自分のままであなただけの一日一日を大切に過ごしてください。
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