「本当にやりたいことを やりとげる あきらめない心を」
これは先日、九十二歳でお亡くなりになられました赤崎勇さんの遺されたお言
葉です。大学教授である赤崎さんは半導体工学者であり青色LEDを開発され
2014年ノーベル物理学賞を受賞されたお方であります。“やりとげるあき
らめない心を”このお言葉で私が受け止めたことはご縁の中で生かされている
私の存在に改めて気づかせていただきました。何よりも赤崎さんご自身が一番
大切にされたことです。拙僧は直接お目にかかったことはございませんが、私
たちの生活にこれだけLEDライトが普及されますと袖振り合うも他生の縁と
申しますように身近にご縁を感じるようになっていきました。
ご縁とは出会いもあり別れもあります。その人生の中で関わりが網の目のよ
うに無限に繋がっているものです。私たちの存在を思い返してみると私たちが
生まれるまでには父母や祖父母、曾祖父母、またそれ以上の方々やご先祖さま
が数え切れないほどたくさんいることに気がつきます。そして知人や親友や私
たちの日常に携わっている農家の方や漁業の方、町の病院従事者やもちろん面
識のない方までの繋がりが網の目のように張り巡らされていることにも気づき
があります。その網の目は親族や友人も通り超えて人類や自然界、地球にある
といっても過言ではありません。その上で私たちの限りある命を受け止めてご
縁に感謝する心が育まれ豊かになるのです。
鎌倉時代、永平寺をお開きになられました道元さまは「霧の中を行けば覚え
ざるに衣湿る。よき人に近づけば覚えざるによき人となるなり。」とお示しにな
られました。霧の中を歩けば知らず知らずのうちに衣が濡れるようにいい人と
のご縁は知らず知らずのうちに心が豊かになります。いい人とは年齢や性別、
立場などの分別なく心から寄り添いあなたを導いてくださる方、あるいは互い
に磨き合う切磋琢磨の関係なのです。拙僧にとって道元さまや赤崎さんの著書
やお話に触れますとこの世にはいらっしゃらないのですが、明るくいい人に出会
えたと未だにご縁を感じております。
本当に「やりたいことをやりとげるあきらめない心を」とは”ご縁の中で生
かされている私”に気がつくことであり、進んでそのご縁のある方に自ら近づ
いていく事でありましょう。どうか今日、皆さまがいい人に出会いますように。
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