7月から8月にかけ、日本各地でお盆の季節を迎えます。
私がお盆の棚経のお手伝いに伺う岐阜県東濃地方では、初盆には、親族が集い、故人をしのんで会食をする風習があるようです。
しかし昨年来、お盆に迎えた先祖を送る灯籠流しや盆踊りも含め、コロナ禍の影響で自粛されている地域が大半です。
「お盆とは何か、なぜ日本人は休むのか。」と外国の方に尋ねられて、困った覚えがあります。そんな折、新聞のコラムで日本と数百年にわたり交流のあるスペインの小さな町でも、近年、灯篭流しが行われていることを知りました。「この世にいない人々に祈り、平和を願う」。その町はインターネットで行事の趣旨をこう説明しています。灯が川を流れる画像から静かに過去と向き合うお盆の空気を感じるという方もいるそうです。
また、先日、ご両親のお墓参りに来られた70代の社長さんが話していかれました。
「いくつになっても迷うことだらけ。毎日、仏壇に手を合わせながら、こんな時、先代社長のおやじだったらどうするだろうと考える。そうやって、今日まで何とか会社を経営してきました。」と。
社員や家族など周囲の方々はもちろんのこと、ご先祖にも助けられて平和な日常は守られているのだと感謝の言葉を口にされました。
今後、ワクチン接種が進み、ご先祖をしのぶ親族との密な初盆行事も復活できるといいですね。コロナ前の生活に早く戻れることを祈念して、今年もお盆の棚経に回りたいと思います。
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