曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

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たのしみ法話
たのしみ法話

心の習慣 []

静岡 清観寺 宇井孝延 師 

どのような形であれ、人には「習慣」というものがあります。
 例えば一般的には、朝コーヒーを飲む事や新聞を読む、女性の方ならばお化粧をする事など、それぞれが習慣化していることが多いことでしょう。私達僧侶においても、仏様にお経をあげることや、お線香を薫じるなど見た目や行動などに関係する様々な習慣がそれぞれあります。
 これらと同じように心にも「習慣」があります。別の言い方をするならば、その人の考え方の癖のようなものなのですが、これがなかなかの曲者でして意識できない分、思考の方向性が決まってしまうため善悪の判断すらも難しくしてしまいます。
 人のためにと思い何か手伝いをしたとしましょう。しかしそのことに関してお礼の言葉の一つももらえませんでした。このようなときあなたならどう思うでしょうか?せっかく手伝いをしてあげたのだが一言のお礼もないのかな?と思う方も多いのではないでしょうか。かくいう私自身も何度も経験があります。
 自然にその考えを持ってしまうことが「心の習慣」です。この場合は無意識に見返りを求めてしまっていたことが不満を持ってしまうことに繋がってしまいました。
 現実はなかなか自分の思い通りにはいきません。多面的な考え方をできるようになれば、一つの習慣に捕われることなく物事の判断ができるようになることでしょう。そのためには、人それぞれの立場やその時々の状態を知り理解をしなければなりません。色々な考え方を知ることで自分の考え方の癖も見えるようになってゆき、よりよく円滑な判断ができるようになってゆくことでしょう。
 あなたにとって少し「ムッ」とすることがあったときこそ自分の考え方の習慣を見直すよい機会ではないでしょうか?  

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