曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

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たのしみ法話
たのしみ法話

幸せって… []

愛知 総持尼寺 山本慎二 師 

我が家には、ダウン症の娘がいます。障害がありながらも、この子は願いによってしっかり誕生しました。この子は出生前診断でダウン症とわかっててこの世に誕生しました。障害、ダウン症、何もわからない不安が大きい中での生むという決断でした。メディアの特集でテレビにも出演し、様々なコメントが述べられていました。色々と考えさせられることが多々ありますが、ただ、少しハンディキャップがあるだけで一人の人として一緒に毎日幸せを感じて生活しています。
私共がお唱えするお経の中に「願生此娑婆国土し来たれり」とのことばがあります。「私たちは願いによって誕生し、この世界にやってきました」とのお示しであると私は捉えています。
私たちは様々な思いや願いを頂いて生まれてきました。例えば子供が欲しいという両親の願い、孫の顔が見たいというおじいさん、おばあさんの願い、自分自身が、この親のもとに生まれたいと、願い続けた結果、この親のもとに生まれることができたのだと。
 私の夢はただ、幸せの気持ちを持ちながら生きていく。過去の夢、今の夢、またこの先、新たに目指す夢。その夢の中に幸せの気持ちをもって生きていきたいです。人と比べて幸せとか不幸とかいうのは本当の幸せではない。自分が自分なりに、自分らしく生きるのがほんとうの幸せです。
 自分自身を見失ってしまいがちな日常という複雑な環境の中で、今一度自分の「幸せ」に思いを巡らせてみてください。身勝手や自己満足にはならず、自分にたくさんの「幸せ」を感じているのであればそれを他人にも分け与えてあげる。他人の幸せも考えながら共に生きていく。それが自分の幸せにも繋がり、願いが叶っていくことでしょう。

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