曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)
たのしみ法話
たのしみ法話

君子はその独りを慎む []

東海管区教化センター 渡邊信行 統監 

この頃の地球温暖化というか、天候の不順さときたらどうでしょうか。三十年も前なら考えもしなかったような事ですね。
 昨年などは、暑い暑いと言って、春も秋もなくなってしまったと、皆で言っていたのですが。
 正に暑い夏から急に冬のような寒さに変わって、秋らしい空を見たのは、ほんの三日ほどでした。皆さんの地域ではどうでしたか。私は山の中の寺ですので、それでもまだ三日ほどは秋らしい空を見る事ができたのでしょうか。
 昔は世界中の国の中でも、日本は四季があってすばらしい国だと言っていたし、そう思われていたでしょう。
 季節という事からいえば、今は夏と冬の二つしかないようなものですが、それでも年が変わればまた、夏も冬もやってきますね。
 しかし、私たちの人生はどうでしょうか。オギャアと生まれて、学業に勤しむ若い世代、そして中年、老年と過ぎていきます。季節のように、再び若い世代に戻れますか。季節は何回も何回も暑い寒いと言いながらも、巡り巡ってきます。
 しかし、私たちの人生はどうでしょうか。
 人の一生といいますね。人生は一度しかありません。やり直す事はできないのです。
 よく“更生してやり直す”といいますけれど、人の一生は一度きり、たとえ更生したとしても、その前にした事は、消す事はできない事実なのです。
 だからこそ、私たちは常に自分を外から見て、気を付けないといけないと思うのです。
 誰にも見られていないから“まあいいや”と思う事のないように「天知る 地知る 己知る」です。
 今の私を見る人は誰もいないなと思うと、その途端についついと言う事がありますよね。誰も見ていなくても、誰が見ていなくても、私自身が承知している事です。
 「君子はその独りを慎む」と昔からいわれます。
私自身どうだろうかと考えると、なかなか難しくて、常にとはいきません。けれどもせめてその言葉を忘れないようにと思います。
「君子はその独りを慎む」

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