曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

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たのしみ法話
たのしみ法話

暮らしの中の仏様の教え []

愛知 亀鶴院 山下陽平 師 

朝晩の冷え込みが増し、木々の葉も色づいて散り始める頃となりました。
秋の実りをいただき、やがて冬を迎える準備をするこの季節、みなさまいかがお過ごしでしょうか。今日は、日常生活の中にある仏さまの教えについてお話ししたいと思います。
仏道というと、お寺での修行や坐禅を思い浮かべる方も多いかもしれません。けれども道元禅師は、「仏道は日常の生活そのものにある」とお示しになっています。
たとえば、朝起きて顔を洗うとき。ただ水の冷たさを感じながら丁寧に洗う。その一つの行いが、すでに心を清らかにする仏道の実践です。
また、ご飯をいただくとき、一口一口をよく味わってみて下さい。そのお米や野菜には、太陽や雨、大地の恵み、そして作り手の方々の努力が込められています。食事をいただくとき、私たちは多くのご縁に生かされていることに自然と気づきます。
人と接するときも同じです。自分の思いを伝えるだけでなく、相手の言葉をしっかりと受けとめることが、心と心のつながりを育ててくれます。
そして坐禅もまた、特別な心境を得るためではなく、ただ姿勢を調え、呼吸を調える行いです。その静かな時間の中で、心は落ち着き、日常の出来事をありがたく受けとめられるようになります。
このように、日常の一つひとつが仏道の修行であり、感謝を学ぶ場でもあります。
ただ生活するのではなく、一つ一つの行いを丁寧に行い意味を持って行うことが日常生活の修行になります。
どうぞ今日一日、いま目の前にあることを丁寧に、そしてありがたく受けとめながらお過ごしください。その心が、必ず生活を豊かで穏やかなものにしてくれるはずです。

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