曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

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たのしみ法話
たのしみ法話

布施の実践 []

静岡 全居寺 松本一善 師 

1月1日能登半島地震、今はまだ記憶に新しく、それでも騒がれる事が下火になって参りました。
被災された皆さまには心よりお悔やみ申し上げますと共に1日でも早い復興を願っております。
さて私は2月、3月と能登半島の被災されたお寺様の所へ復興の為のお手伝いに行かせて頂きました。
2月にはまだ若干の雪が降る中、3月にはやっと水道が復旧し始めた頃、未だに瓦礫などが残り片付かない所へ少しでも手助けになれる事はないかと足を運ばせて頂きました。
そんな中被災された御住職やお檀家の皆様方、まだご自身も避難所生活であったり、水が満足に手に入らなかったり、また被災状況を見て回り復興の為に動かれている役場の方や一般のボランティアの受け入れが始まり、様々な県から支援にいらっしゃる方々など、色々な人が被災したお寺に集まってお手伝いをしていました。
さて、お布施と言う言葉はご存知だと思います。布施とは行い広げることを指します。施しは行動を、布は広げる、行き渡らせる、を意味し布施と言います。また道元禅師様は「布施といふは、貪らざるなり、へつらわざるなり」とお示しになっています。際限なく欲しがることをやめ、相手に恩を着せるような気持ちを捨て、ただただ相手に共感して施し行き渡らせ広げて行く、これが布施であると私は思います。まさしく被災したお寺に色々な方が、色々な所から集まって復興に向けて動き出している、また様々な場所でも支援の輪が広がっていく。千里の道も一歩から、復興と言う長い、長い道のりの一歩を被災された方だけでなくその周りにいる私達も一緒になって歩んで行く、そういった気持ちを持ち私達に出来る事を1つ1つ行って行く事が布施行ではないでしょうか。
是非皆さんも小さな事からで構いません。気持ちというのは中々割り切れるものではありませんが、まず行う所から少しずつ実践してみませんか。

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