曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

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たのしみ法話
たのしみ法話

輝く空の星 []

愛知 常照寺 長坂孝コ 師 

空に輝く星が見えますか?
騒がしかった街がようやく眠りにつく頃、静かな山の夏虫の声と共に、海の波音を聞きながら、空を眺める場所や時間によって、星の見え方に違いがあるかもしれません。
それでもきっと、遠い遠い銀河から放たれた光に願いを込めたり、祈りをささげたりするでしょう。
世界に目を向けると、同じ空でも、星の輝きではなく、人々が暮らす街に放たれたミサイルを迎撃する火花であったり、戦闘機が飛ぶ光であったり、同じ空を眺めても、全く違う争いや憎しみの様子を見ることになる。
でも、それは同じ人間のおこない。願いや祈りをささげるのも人間、争いをして命を奪い合うのも人間。どんな理由があったとしても、どうしてこれほど違うのだろう。
 あるご老師が、こう語りました「仏と鬼とあいすめる」
 これは私たちの見えない心の中には、慈しみ愛おしむ慈悲の優しさを生む仏の心と、争いや憎しみ、怒りを引き起こす鬼の心と、この二つを誰もが併せ持っている。望むべくは、仏の心をおもてに表わしたい。
 仏の心を大きく大きく育んでこそ、鬼の心が表にあらわれる余地がない。
これから、お盆をお迎えする時節がまいります。ご先祖様や亡きご家族様をお迎えし、お送りするご供養の儀式。
誰かの為に心を込めて祈り、感謝をささげるそのご供養は、誰かの為であり、自分自身の見えない仏の心を育むおこないの一つでもあります。
自然と気づかぬうちに仏の心が輝きを増し、まさに空の星のように輝くことでしょう。
そして、その輝く星は、遠いようで近い世界の平和につながります。

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