曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

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たのしみ法話
たのしみ法話

「円相」に込める願い []

静岡 明光寺 手塚裕太 師 

このお話をお聞きなる方の中には、人生に少し疲れてしまった方や辛い経験の渦中にいる方もいらっしゃるかと存じます。
私が住職を務めるお寺では毎月参拝者へのメッセージとして御朱印に
「円相」を書き入れさせていただいております。
よく参拝者の方が、「落ち込んだ時や、疲れた日の寝る前に、御朱印を見ると元気が出ます」と言ってくださるようになり、
それから私は御朱印の中に「円相」を書くようになりました。
「円相」とは一筆で描いた円(まる)のことを指しており、その一筆で書く円には必ず入筆と終筆があります。
円にも、その中には必ず始まりと終わりがあるということですが、書き終えた後の円は、特性上どこが始まりで、どこが終わりか分かりません。
考え方を変えると、すべての場所が始まりで全ての場所が終わりと捉えることが出来るのです。
私たちの人生に例えると、失敗や、挫折、苦しい出来事など「終わりだ」と捉えてしまう事も円相に重ねるとそこは新たな挑戦や人生の「始まり」と捉えることが出来ます。
苦しい事や、辛い出来事のあった日に御朱印に書いてある「円相」を見て、その日の出来事が決して人生における終わりではなく新たな始まりと捉え直していただけたらという願いを込め書かせていただいております。

よろしければ皆様も円相を日常の目に入る場所へ掲げ、
時折、円相を見つめることで、終わりではなく新たな始まりを見出し、困難や挫折を乗り越える勇気を持っていただけたら幸いです。

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