私は普段一人で、お寺にて生活をしております。法要、作務、家事全般を行い。準備、片づけも一人で行わなければならず、一人で暮らしてゆく大変さを日々、痛感をしております。
そんな日々で、私の楽しみの一つは買い物であります。それは、お寺で生活していると人々との交流が少ない私にとって、様々な人に出会うことが出来ること、また季節を感じることが出来るからであります。人との出会いは私の生活を豊かにしてくださっているとはっきりと実感ができます。
しかしながら、最近気になることがございます。それは、会計の時などに、スマートフォンを見ながら電話をしながら音楽を聴きながらと、ながら作業をして会計をしている方がおみえになることです。向かいで対応をしてくださる店員さんも注意することは難しくそのまま対応をされておりますが言葉がうまく伝わらず会計の動作が止まってしまったり。指で指図をしたりと。店員さんも嫌な気持ちを抱いてるはずです。並んで待っている方々も嫌な気持ちを抱くものです。いま大切なことは目の前の事なのに、それ以外のことに夢中になってしまって上の空なのでしょうか。
向かいにいる店員さんは機械ではないのを忘れてしまっているのでしょうか。
仏教の教えに四摂法というものがございます。これは私たち生きとし生けるものための四つの行いで、その四番目が「同事」のという仏教の教えです。同事とは同じ事と漢字で書きます。道元禅師様は「同事といふは不違なり」とお教えになられました。「不違」とは、「ちがわない」と言う事です。お買い物をする際は、顧客と店員という役割に分かれておりますが、お互いが気持ちをしっかりと持つ人という本質は何も変わりません。お客さんも店員さんがながら作業をして接客していたら気分が悪いはずです。人と人とが向かい合う時お互いを尊重しあえば、ながら作業をすることが間違っていることに気が付くはずです。殆どのながら作業は今しなくてもよい作業のはずです。
もし、自分がながら作業を行いそうになったら一度立ち止まって、その作業を終わらしてから相手に向き合う。とても簡単なことです。その際に、「お願いします。」「有難うございました。」
など伝えるようになればもっとお互いのことを考えることができます。同じ立場になって一歩立ち止まって相手のことを慮って行動する。ぜひ私も含め、実践していきましょう。
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