誰かさんの何気ない一言で傷ついたことが、皆さんにはありませんか? 私にはあります。誰かさんは気がついていないけれど、その言葉が私の心を重くにぶらせます。
反対に、自分の何気ない一言で、誰かさんを傷つけてしまったことがありませんか? 私にも、きっとあるのでしょう。自分では気がついていないけれど、その言葉が誰かさんの心を重くにぶらせてしまっているかもしれません。
言葉には、私たちが思う以上に、強い力があります。口から出た言葉は消えてしまうことなく、相手の心に残り続けます。相手を傷つける言葉であれば、相手を苦しめ続け、善き言葉であれば、相手を救い続けます。
曹洞宗の開祖道元禅師は、『正法眼蔵随聞記』という書物の中で「ものを言おうとするときには、三度考え直してから口に出すことが大切だ」と教え示されています。何度も考え直して、善い言葉であり人の為になるのであれば口に出し、そうでなければやめておきなさい、というのです。
家族や友人たちとのたわいない会話は楽しく、ストレスの発散にもなります。けれども、そんなときこそ気をつけなければいけないのでしょう。私の何気ない一言が、相手を傷つけているのかもしれないのです。
私が今語ろうとしている言葉は、相手を傷つけないだろうか、相手のためになるのだろうか。何気ない一言であっても、口に出す前に、三度とはいかずとも、一度は考え直してみたいものです。
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