私たちの住むこの地球は、青い空と、水と、緑の大地に恵まれたすばらしい星です。四十六億年といわれる長い歴史の中で、山が緑を育て、雨が降り、川となり海へ注ぎ、太陽に照らされ雲となり、また、雨が降る。その循環の中で、生物が育まれ私たち人間もいます。
この数百年余りの中で、我々は文明を発達させ、特に数十年の間には、めまぐるしい変化を遂げてきました。それに伴い、山を削り、海を埋め立て、多くの環境を破壊してきたことを忘れてはなりません。
私は静岡県にある曹洞宗可睡斎専門僧堂に身をおいております。可睡斎では、夏の花火大祭が毎年行われています。大勢の見物客がみえ、夜店も出て賑わうのですが、終わった後のごみの片付けが中々大変です。燃えるごみ、燃えないごみ、缶、ビンとわけて段ボール箱を用意するのですが、分別して捨ててくれる方ばかりではありません。ビニール袋の中に何でもいれてポイと捨てていく方もいます。それを修行僧達が大変な思いをして分別します。また、観光地や、公園や、山などでも平気でごみが捨てられています。どうもごみというものは、自分の手元を離れると、後は人まかせ、という様な傾向があるように感じます。
私は最終処分場という所に何回か行ったことがあります。そこでは穴を掘り燃えないごみが次々と捨てられ、いっぱいになると埋め立てられていきます。この光景を見ると心が痛みます。
私たちの曹洞宗で取り組んでいる「環境・平和・人権」からも環境の問題は大切に取り組んでいきたいと考えます。
ひとり、ひとりがごみに対する意識を高めごみを減らし、正しく分別することこそ、今の環境問題を解決する糸口になるのではないでしょうか。私たちが後世に残すのはごみの山でしょうか。それとも美しい自然なのでしょうか。
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