曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

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たのしみ法話
たのしみ法話

朝夕のお参りが「しあわせ」をまねく [No,1391、4月9日〜4月15日]

岐阜県関市 永昌寺住職 鬼頭賢定 老師

 元経団連会長の故土光敏夫さんは、図太い神経の持ち主で、時の総理大臣を怒鳴りつけたほどの度胸をもった人だったそうです。
 その土光さんが、毎朝、お経をお唱えし、心の平和を得ていたそうです。
 「朝、顔を洗ってお経をお唱えする。それからわしの一日がはじまる。精一杯努力するが凡夫のかなしさ、失敗することも度々だ。いや失敗することのほうが多い。そんなときわしは仏前に座っているつもりで心を静めるまた、夕方、帰宅して仏前に額づき、その日のことを反省し、これで一日のしめくくりをつける。なぜ、毎日、お経をお唱えするのかと考えてみるが、それは、毎日、不安で仕方がないからだ。わしはお経をお唱えすることによって不安が静まるのだ。」と、土光さんは話している。日本の経済界のトップの土光さんでも、不安の毎日を送っていたのである。
 私達もこの現代社会に生きている以上、各面に亘って悩み苦しむことが多く、ストレスが溜まり生きているのが苦痛にさえなり、心身症の遠因になるといわれています。
 朝晩御仏様の前で姿勢を正し、空気を一杯吸い込み、心を落ち着け真心から今、命あるを感謝し、生かされている喜びを噛みしめて合掌し大きな声でお経をお唱えしお参りするのが、明るい日々が送れ、幸せに暮らして行ける道につながるのです。

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