今日は利行=相手のことを思いやる心についてお話しさせて頂きます。
修証義の第四章には「利行というのは、思いやりの気持ちを持ち、あらゆる人を救おうとすることである。困った亀や、病気で弱ったスズメを見つけたとき助けてあげる人は、見返りなど求めずにただ思いやりの気持ちだけで行動できる心をもった人である」と書かれています。
世間に揉まれて生きていると、人を押しのけるようなことをしたり、人の不幸に関心がいってしまうこともあります。しかし、ひっくり返ってばたばたしている亀を見たり、病気のスズメを見れば「かわいそうだ、何とかしてあげたい」と誰もが思います。また、テレビで食べ物がなく苦しんでいる子供や戦争の犠牲になる人々を見れば悲しい気持ちになるはずです。
実は、これこそが仏心=ほとけごころなのです。仏心は動物にはありません。猫がひっくり返った亀をみても助けはしないでしょう。また仏心というのは私たちの中に最初から備わっている物ではありません。最初にあるのは仏心の種だけです。この種にお父さんやお母さんや兄弟、また学校の先生や近所の人などいままでの人生で出会ってきた方々から、思いやりという水や肥料をいただいて、やっと芽吹き花開いたのがあなたの仏心なのです。
普段の生活の中でも、相手を思いやることをいつも心がけ、また皆の仏心を大きく育てて利行がたくさん行われるように努めていきましょう。また、それがみなさまの仏心を育ててくれた方々やご先祖様への供養になるのです。
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