曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

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たのしみ法話
たのしみ法話

広い視野を [No,1403、7月2日〜7月8日]

静岡県湖西市 西光寺住職 尾島宏徳 老師

 うっとおしかった梅雨もようやくあけ、晴天が眩しい今日この頃です。とか、やっと梅雨明けが宣言されましたなどは、日常よく使われる時候のあいさつです。このように長く降り続いた雨のストレスから、梅雨にはあまりよいイメージはいだかないように思われます。
 たしかにジメジメした時が過ぎ、まばゆいばかりの光りにつつまれた時、気分はまさに晴天のごとく晴れわたる感じがするものです。
 しかしながら、別の角度から見てみると、大量の雨は草木を育てるため、非常に大切な役割をはたしているように、私達人間にとっても、まさに命の水となっております。私達は、蛇口をひねると水があたりまえのようにいつでもすきなだけ頂けると思っています。
 しかしながら、これから体験する夏の期間中は降水量が少なく、一カ月分の消費量を確保できないことが毎年のように発生します。
 そんな時は、梅雨時に降った雨を溜めておき、不足分にあてます。それでも供給量がギリギリとなり、節水となる事がしばしばあります。
 そういう意味では夏を乗り切るためには、梅雨は必要不可欠だと考えれば、少しは梅雨の不快感も緩和されるかもしれません。
 このように、物事をある一面からだけ見るのではなく、別の角度から見るということは非常に大切な事で、今まで見えなかったものや、今まで見えていても気付かなかったことが、はっきりと現れてくるものです。
 時には、ストレスから開放され心にゆとりさえ生まれてきます。
 一日一日を充実した日々とするため、心の視野を広げることを、心掛けていきたいと思います。

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