「拝」。返事の「はい」は、お拝に由来することをご存じでしょうか。
仏教では「合掌」「礼拝」という言葉をよく使います。繰り返して拝礼し、相手を立てる意味合いの三拝、九拝、百拝。仏様の前での十八拝、十八回頭を下げる仏教的な儀式は今も行われています。
「拝」という言葉はお辞儀をすること、神仏を拝むこと、つつしみ受けること。両手を並べる形を意味し、両手を合わせ、前に手を上げて礼をする形態が成り立ちです。手を合わせてお辞儀をするという形態がまさしく、これを示しています。
その後、挨拶をする時の返事、「はい」としても使われるようになりました。ともあれ「二つのものが一つになる」という深い意味が「はい」の中にはあるということです。
返事の「はい」は生活の中で何気なく使われています。元気な声の場合、悪い場合、受け取る側の気持ちにも優劣がうまれてしまうものです。たとえば元気な子どもの「ハイ!」の返事を聞けば心の中がほのぼのとした温かな気持ちになります。
大人でも気持ちの良い大きな声の「はい」の返事ひとつから、お互いの気持ちが通じ合い。“あ・うん”の呼吸のような心のキャッチボールが生まれるものです。
「はい!」の元気なひと言が前向きになろうという希望をもたらしてくれます。その真髄には人として相手を敬う感謝、かけがえのない命への敬虔なる感謝、そして希望が込められているのではないでしょうか。
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