曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

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たのしみ法話
たのしみ法話

感謝の日おくり [No,1419、10月22日〜10月28日]

静岡県掛川市 眞昌寺副住職 小野田博道 師

 ともすれば私たちは、自己中心的な考えを持ちやすく、何事も自分を中心に物事を判断しがちになる傾向があります。
 そうした原因は、「あらゆる欲望」や「つまらぬことに腹を立てる」ことや「正しい判断の出来ない愚かさ」の三つの煩悩「三毒」にあります。この「三毒」が災いとなり常には鏡のような私たちの心にくもりをもたらし、見えるものも見えないようにしてしまうのです。
 もし、水に何か物を落としても、鏡のような水面ならば見つけることは容易ですが、少しでも波が立っていたり、濁っていると中々見つけることは出来ません。
 ついには見つからないことえのいらだちに腹を立てるでしょう。あるいは落としたことをいつまでも悔やむでしょう。
 実りの秋を迎えました。稲穂は黄金に色付きたわわに実り、豊作を祝う祭りがあちらこちらで、にぎやかに行われています。それぞれの町内会がこの日のために、こつこつと準備をしてきたことを考えると「人は一人ではいきられない。おおくの人や、物に支えられ生かされているんだ」と思い。人や自然の力に、あらためて感謝する気持ちが持ち上がってきます。
 私たちは自分一人の力で生きているかのように思っていますが、どんなに素晴らしい人でも、自分一人の力では決して生きていくことは出来ません。
 道すがらお年寄りとお孫さんが手をつなぎながらすれ違いました。お二人とも満面の笑みに満ちておりました。お互いが信頼し、支え合うことがとても大事だということを、お二人の笑顔が教えてくれました。
 こだわらない心、とらわれない心を常に持ち続け報恩感謝の日々を送りたいものです。

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