曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

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たのしみ法話
たのしみ法話

天高く馬肥ゆる秋 [No,1422、11月12日〜11月18日]

愛知県知多郡美浜町 心月斉住職 神戸東建 老師

 暑い夏も過ぎ、爽やかな秋真盛り・・・
我が人生もかくありたいと思う昨今、巷にはいろいろな事件が毎日の様に新聞で、又テレビで報道されています。
 何故この様な事件が起きるのだろう?私は私なりに思いを巡らしてみました。その結果、道元様のおっしゃる貪瞋痴の三毒が一人歩きをし、ブレーキが利かなくなったのではなかろうか?と思う様になりました。日頃の手入れを怠ったが為に、いざ!と云う時に壊れてしまった・・・。
 私たちは、この秋の澄み切った空の様に、もう一度自分自身の本来の心、み仏の心を掘り起し、見つめ直し、三毒を三心に浄化して行く努力をしなければと思うのです。
 三心とは、大心・喜心・老心の三つの心です。大心は、おおらかなこだわりのない心、喜心は、人の喜び悲しみを自分の喜び悲しみとして受けとめる柔軟な心、老心は、人の心の痛みを自分の心の痛みとしてとらえる共生きの心でございます。
「晴れて良し曇りて良し富士の山 もとの姿は変らざりけり」
 これは明治維新の立役者、山岡鉄舟のうたでございます。
 富士のお山をこよなく愛し、清水の次郎長に師と仰がれ、剣禅一如を身をもって示した江戸末期一番の剣客でございます。
 おおらかな大変味のあるうたではございませんか・・・。

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