先日東北岩手県を訪ねさせて頂きました。目に飛び込んで来るのは田植えが終った水田です。二宮尊徳翁の『報徳概説』に「小事を嫌って大事を望む者には成功はない」という名言が有ります。水田を耕し、苗を植え、除草等手入れをし、刈り取る。ひとつひとつ大事に丁寧に行じて行くことが、あの美味しいお米と成るのである。今私達の周りには政治にしても、経済にしても、あるいは教育にしても「小事を嫌って大事を望む者」の多きことにあらためて気付かされるのであります。私のお寺では毎月「寺スクール」と言って昔の「寺子屋」のまねごとをして、年に一度お寺の本堂に泊まり、勉強をし遊んでいます。その場所で宿泊の注意や班分けをしている時に、兄弟で参加している妹の発言に姉が「お前なんか死んじまえ」と妹に向かって言ったのです。その言葉を聞いて今の子供達は何を思い、何を感じているのだろうかとの思いから話を中断して、次の様な話を致しました。「私達の生活している世の中には『人を大事にした分だけ人に大事にして頂ける』というきまりが有ります。家族や兄弟、友達を大事にすることが、今まであなたが家族の人に大事にされて来た様に周りの人々にも大事にされると言うことにつながるんです」と話しましたら納得してくれた様です。こつこつと積み重ねて行くことの大切さ、それが将来『大事』につながるのです。
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