曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

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たのしみ法話
たのしみ法話

只管打坐 [No,1425、12月3日〜12月9日]

三重県度会郡大紀町 金蔵寺副住職 糸川定伸 師

 ご自宅の仏壇などで、お釈迦様が坐禅をしている掛け軸や仏像等、覚えている方はいらっしゃいますか?
 実は私達が取り組んでいる坐禅の足と手の組み方は、お釈迦様の組み方と、左右が逆になっています。
 これは、お釈迦様の姿を、そのまま鏡写しに真似している、ということなのです。
 昭和の歌姫といわれた、美空ひばりさん。彼女と同じように歌を歌える人がいたなら、その人は平成の歌姫と言われるでしょう。
 海を渡り、アメリカの大地で大記録を打ち立てたイチロー選手。彼と同じバッティングが出来れば、その人も素晴らしい大記録を打ち立てられるでしょう。
 では、お釈迦様の真似がそのまま出来ているのであれば、その人はお釈迦様なのではないでしょうか。
「悟り」という言葉がありますが、それは見るもので、新たに知る知識でもなく、実は坐禅に取り組む姿そのものではないでしょうか。
 歌を上手に歌う、その姿より、ただただ歌を愛するその気持ちが、素晴らしいのではないでしょうか。
 坐禅をして、何か偉くなったり、変わったりするのではなく、ただただ、坐禅に打ち込む。その姿が素晴らしいのではないでしょうか。
 坐禅を学ぶのではなく、坐禅で学ぶ何かがあるのではないでしょうか。
 姿勢を整え、呼吸を整え、そして心を整え一日のうちの、わずかな時間だけでも、静かに坐ってみませんか。

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